jr平城山駅前の写真

平城山駅前の様子
調査報告者:大阪教育大学附属天王寺中学校50期生中3−c−36 溝内 亜希子
(調査日:1998年8月19日)


平城山駅の総合評価(概要)

1,駅の構造は,2階に改札口があり,ホ−ムは1階となっている。出口は全部で1つ。

2,改札からホームへは,上り,下り共に,階段のみのアクセスとなっている。

3,車椅子用の専用トイレ,段差のない床などは特に設置されていない。が,駅員の方の協力はえられる。ただ、1階の入口から改札までのアクセスが,階段しかないため,車椅子使用者にとっては少し不便だろう。

4,駅前の自転車は多いが,だいたい整備されている。点字ブロックもある。


券売機→改札口→ホームへのアクセスの状況

券売機の状況

1,券売機は全部で2つ。硬貨投入口までの高さは,130cmのものと,100cmのものがある。いずれも,ボタンの下に点字表示あり。

2,広いスペースがなく足下が詰まっているため,車椅子では正面から利用しにくいと思われる。(20cmぐらい)

3,右端に点字料金表あり。

4,点字ブロックが設置されている。障害物もなく,使用しやすい。

jr平城山駅券売機の写真

改札からホームへのアクセス

1,改札口は,1ヶ所しかない。左端の改札は,駅員の方の協力により幅を広げることが出来る。車イスが通れるのはここだけで,点字ブロックも設置されている。

jr平城山駅改札前の写真

2,改札にたどり着くまでに,長い階段がある。車椅子の方は,利用しにくい。

3,駅員の方は,7:30から17:00の間のみおられるので,それ以外の時間は,自動改札だけが利用可能である。よって,車椅子での利用はできない。

4,改札からホ−ムへは,階段のみのアクセスとなっている。点字ブロックが設置されており,てすりには点字表示がある。

平城山駅階段の写真


5,ホ−ムは,上りと下りの2つ。点字ブロックは,ホ−ムを囲う感じで,全体的に設置してある。列車到着時に,アナウンスあり。
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その他の施設/設備

1,車椅子用のトイレ

平城山駅トイレの写真

・トイレは,改札を入ってすぐの所にあり,点字ブロックで誘導されている。

・車椅子専用のトイレはない。

・入口に段差が約15cmもあり,中は狭い。車椅子での利用は難しい。

2,公衆電話はあるが,車椅子用の高さの低いものはない。

3,身体障害者用 インタ−ホン
・上り,下りのホ−ムの階段を下りてすぐのところに設置されている。使用可能時間は,駅員さんのおられる7:3から17:00ぐらいの間だと思われる。

平城山駅インタ−ホンの写真

最寄りで利用可能な施設や建物


(平城山駅からは少し遠くなります。)

・心身障害者福祉センタ− ”みどりの家 ” スロ−プやてすり,車椅子用トイレやエレベ−タ−等の設備はもちろん,談話室や料理室,歯科まであり,送迎バスも出ています。隣には,体育館もみられます。

・奈良勤労福祉センタ−  ”サン・アクティブ奈良 ” 勤労者のための総合的な福祉施設です。車椅子用トイレやエレベ−タ−もあり,団体に混じって・・・等の場合はよく来られます。

最寄り駅で利用可能な施設・・・奈良勤労福祉センタ− ”サン・アクティブ奈良”

(多目的ホ−ル,図書室,会議室,テニスコ−ト等・・・)

・glo (エレベ−タ−の設置されている駅前のお店)


*近々,平城山駅前に郵便局ができる予定です。

駅員さんへのインタビュ−

平城山駅の駅員さんの写真

q:一日に,障害者の利用される人数はどれくらいですか??
a:だいたい1人の方が毎日利用されています。
q:車椅子の方(特に電動車椅子)が来られたときの対応は?
a:今までに経験がありません。もし来られたら,お客さんの協力を得てお手伝いをしたいと思います。
q:その時,周囲のお客さんは協力してくださると思いますか?
a:おそらく,協力して下さると思います。
q:その他,お客さんに協力してほしい事はありますか?
a:特に有りません。みなさん,きちんと駅を利用して下さっています。
q:駅周辺に,障害者の方がよく利用される施設などがありますか?
a:近くに,というと,目立つものは見あたらないです。
q:駅設備の改装に関する今後の予定はありますか?
a:最近作られた駅なので,そういった改装の予定は,今のところ未定です。
q:最後に,このような中学生によるバリアフリ−調査についてどう思われますか?
a:コミュニケ−ションがとれて,すごくいい試みだと思います。           とのことでした。


感想


 今回の調査では,今までに気づかなかったことを発見することができました。 何気なく使ってきたものの中にも,さりげない工夫や,また,障害者の方にとっては不便なものがいくつかあったからです。 
 駅員さんを呼び出すための ”障害者用インタ−ホン”がついていることも今までは知らなかったのですが,それも改札から1階へ下る階段にしかなく,その前に並べられる自転車の山・・・。これでは,利用しようと思っても,インタ−ホンがどこにあるのかさえわかりません。
 障害者の方にとって,平城山駅は,利用しやすい駅になっているのでしょうか? このような調査を通して,いろいろな工夫に感心したり,思うようにならない設備にもどかしさを感じたりしました。けれど,何の意識も持たずに駅を利用しているのでは,気にも止めないことがほとんどです。
 私は,このような授業に参加出来たことをとてもうれしく思うとともに,一般社会にも,もっともっと ”バリアフリ−社会”の必要性を広め,地域の人々の意識の向上を図ることが大切だと思いました。

以上報告を終わります。