難波駅前の様子
調査報告者:大阪教育大学附属天王寺中学校50期生中3−d−24
(調査日:1998年9月5日)


難波駅の総合評価(概要)

1,駅の構造は,改札が地下1階でホームは地下2階。改札口は,東口のみ。(車椅子用改札口があり、使用時に駅員さんが開閉する。車椅子用の通行幅は1m。)点字ブロックが通っている。

2,改札からホームへは,上り下り兼用ホームで、階段と、エスカレーターが、アクセスである。(四ツ橋線北改札は、エレベーター)階段は2ヶ所とも30段。

3,ホームの状況:@駅員の常駐;駅員さんは、常駐している。(ラッシュ時:5、6人、夕方:3人) A点字ブロック;有り。 B階段の位置;ホームの桜川よりに1つと、日本橋よりに1つ。エレベーターの位置;まん中に1つあり、又、場所を示す為の車椅子の看板がある。 Cホームと列車との段差:ホームと列車との隙間;段差も隙間も約10cm。 Dその他;アナウンス有り。(女性の声)朝・ラッシュ時は肉声。

4,車椅子用の専用トイレはない(ただし、御堂筋線には、車椅子専用トイレがある。)。地上の入口から改札までのアクセスが、階段しかないため、車椅子使用者にとっては少し不便だろう。(今後、エスカレーター(1基)、スロープが、できる予定。)

5,駅周辺には、放置自転車が多く、車椅子の通行を、妨げているものもあるので、周辺の各団体と協力して撤去している。


券売機→改札口→ホームへのアクセスの状況

券売機の状況

1,券売機の数は全部で8つで、近鉄(長田経由だけ)や南海(関空経路だけ)への連絡切符が買える。硬貨投入口の高さは1mのものが3台、140cmのものが5台。ボタンの上には,点字の表示がある。

2,8つともすぐ壁なので、車椅子の入るスペースがないので、車椅子では正面から利用しにくいと思われる。

3,点字料金表はある。


改札からホームへのアクセス

1,上り下り兼用ホームに、車椅子用エスカレーターがある。使用時は、駅員さんに連絡。(通常は上り用として使用)階段は30段。


2,改札内の見通しはいいのだが,ホームは柱や階段があるため,見通しが悪い。



その他の施設/設備

1,車椅子用のトイレ

@トイレの場所;トイレは,千日前線にはなし。(ただし、御堂筋線の北南改札を入ってすぐの所にある。)

Aトイレへの案内;点字ブロックで誘導されている。表示してあるのでわかりやすい。,

B車椅子用トイレの状況; 一般用と並んで車椅子専用があり,入り口は別になっている。ドアは引戸で、開閉は手動。

C中の状況;中は広く、手すりがたくさんあり、使いやすそう。鏡はやや下向きで、車椅子の人からは見やすそうだった。

Dその他の工夫;トイレ内に、小さな子供が置けるシートがある。


2,その他の設備;公衆電話も車椅子用公衆電話もある。


3,その他の設備;触地図はあるが、音声案内はない


4,階段昇降機や駅校内の立体の地図はなし。
5, ええまちマップ。(改札,駅長室にある。)

最寄りで利用可能な施設や建物


高島屋、プランタンなど。(プランタンの車椅子用トイレは広く、鏡も下向きになっており使いやすそう。




6,駅員さんへのインタビュー;

q1:1日に、障害者の利用される人数はどれくらいですか?Ia:平日:車椅子の方30〜40名、視覚障害者の方10名位。休日:車椅子の方50〜60名、視覚障害者の方10〜15名。多いとき(団体) 100〜150名。

q2:車椅子の方(特に電動椅子)が来られた時の対応は?又その時、周囲のお客さんの協力はありますか? a:渡り坂を使う時もある。(3枚)お客さんは協力的。

q3:駅設備の改装に関する今後の予定はありますか? a:エスカレーター(1基)スロープ

q4:この様な中学生によるバリアフリー調査についてどう思われますか? a:この様な調査に興味を持つことは、いい事ではないでしょうか?

感想


バリアフリーの状況調査を終えて、今まであまり考えていなかったことが、鮮明に見えてきたように思います。自分の足で歩け、自分の目で見えることがこんなに有難いことであり、楽だということを改めて考えさせられました。逆に、障害をもった人達が自分で地下鉄に乗る、ということがどんなに大変なことか思い知らされました。何気ない改札を通るのも、何気ない階段やエスカレーターを上り降りすることも車椅子では一度止まって、周りの人達や駅員さんたちの手を借りなければならないのです。改札口を広げて貰わなければならないし、エスカレーターでは、わざわざ逆回転させて駅員さんに降ろして貰わなければなりません。電車に乗るのだって、板をひいてのせてもらわなければなりません。障害を持つ人達は、その度ごとに周りに感謝しつつも大変な気をつかっているだろうと思います。この調査を経験して、私達が障害を持つ人の身になって進んで協力しようという気持ちになったことは、言うまでもありません。けれど、これからの高齢化社会に向けて、障害を持った人達でも、自分自身で自由に乗り物に乗れるようなシステムや環境を整備していかなくてはならない、と強く感じました。

以上報告を終わります。