駅前の写真

中津駅前の様子
調査報告者:大阪教育大学附属天王寺中学校51期生3年a組28番
(調査日:1999年8月26日)


中津駅の総合評価(概要)

1,駅の構造は,入口は一階,改札口は地下一階にあり,ホームは地下二階にある。 改札口は南改札,北南改札,北北改札の三つである。

2,改札からホームへのアクセスは,南改札からは階段(22段),エスカレーター(上り用のみ)がある。北南改札,北北改札からは階段(22段),エレベーター2基(一つは地上の入口へ,もう一つはホームへ)がアクセスである。

エスカレーターエレベーター

3,トイレは,北改札口に車椅子用トイレがある。点字ブロックなどの誘導がないため,少しわかりにくい。南改札口には,健常者用のトイレのみある。

トイレ

4,駅前には,放置自転車が多く,歩道も細い。また,交通量の多い道路に面している。


券売機→改札口→ホームへのアクセスの状況

券売機の状況

1,券売機の硬貨投入口の高さは約135cmのものが3台と,100pのものが4台あり,ボタンの上には,全て,点字の表示がある。タッチパネル式のものはない。

2,券売機の下は,足元の壁が少しへこんでいるが,それでも車いすだとひざがあたり,正面からの利用は難しそうだ。

3,点字料金表は,券売機の横にプラスチック製の点字料金表がある。また,駅長室にも冊子になった点字料金表を常備してある。

券売機の写真

改札からホームへのアクセス

1,南改札は,駅員の前の改札の通路を広げれば車椅子の方々が通れるようになっている。北改札には,常時使用可能な車椅子用改札がある。

改札口の写真.

2,改札内の見通しはいいのだが,ホームは柱や階段があるため,見通しが悪い。



その他の施設/設備

わたり板. 電話

1,公衆電話は,車椅子用の高さの低いものもある。
2,ええまちマップ。(改札,駅長室にある。)
3, 駅構内の触地図冊子はなかった。
4,車椅子の方でも電車の乗り降りができるように,電車とホームの間をわたすわたり板がある。


最寄りで利用可能な施設や建物


「駅周辺」にはあまり障害者利用可能施設は少ない。少し離れたところになるが,以下のような施設を障害者の方がよく利用されるそうだ。
・中津養護学校
・府立整肢学院
・中津小生涯学習ルーム


駅員さんへのインタビュー


花岡
中津駅の駅長さんである花岡さんにインタビューに答えていただきました。
質問1:一日に,障害者の利用される人数はどれくらいですか?
答え1:だいたい10人くらいですが,駅にエレベーターが設置されてから人数が増えたように思います。車椅子の方が多いです。

質問2:車椅子の方(特に電動車椅子)が来られたときの対応は?
答え2:車椅子の方が乗られた駅から、行き先の駅に連絡があります。何両目に乗っているかということを聞き、その電車を待って、出口まで介助します。

質問3:またその時、周囲のお客さんの協力はありますか?
答え3:たいていは私達がします。

質問4:その他、お客さんに協力してほしいことはありますか?
答え4:なるべく駅員が主体でお手伝いをしたいと思っています。車椅子の方は、自分の車椅子をさわられることに、壊れたらどうしよう、と不安を感じる方が多いそうなので、できるだけ「サポート」というかたちで手伝いをしたいです。

質問5:駅設備の改装に関する今後の予定はありますか?
答え5:今の所エレベーター設置で終わりです。

質問6:このような中学生によるバリアフリー調査についてどう思われますか?
答え6:とてもすばらしいことです。いい学校ですね。21世紀を支える子供の、一般社会でも十分通用する活動ですね。これからは障害を持っている人と健常者が共生を目指す時代ですから、そのためにもこういった活動を続けてください。人に何かをすれば、その人の笑顔がかえってくる。すると、心が豊かになりますよ。いいレポー トにしてください。

ご協力ありがとうございました。



感想


駅長の花岡さんがおっしゃっておられました。「設備が整っているだけでは本当の意味での共生社会にはなりません。そこに住む人々が心の面でのバリアをなくしていくことがまず必要だ・・・。」と。共生、というのは、簡単そうで難しいものです。助けて「あげる」になってはいけませんが、助けない、というのもおかしい。お互いに笑顔で気持ちよく助けあえるような、そんな社会になればいいと思います。
中津駅には、こんな言葉が張ってありました。「やさしい笑顔と応対で、お客様から「ありがとう」の一言をゲットしよう!」この言葉を当たり前に実行することが、共生の第一歩になるような気がします。
私には、障害を持っている人の不便さを100%知ることはできません。でも、自分にできるお手伝いはどんどんしていき、「ありがとう」の一言をゲットしたいです!
今回の調査は、普段は考えもしなかった、障害者の目から見た駅という視点で、もちろん一部だとは思いますが、知ることができました。今回得たことをこれからどう生かしていくかが、私の次の課題だと思います。

以上報告を終わります。